「宇多田ヒカル - 花束を君に」のハイレゾは買いか ~iTunes vs ハイレゾ比較~
宇多田ヒカルさんの久々の新曲「花束を君に」「真夏の通り雨」が発売になりましたね!
どちらも素敵ですが私は「花束を君に」を特に聞いています。
宇多田さんは今とても幸せなんだろうな、と伝わってきませんか?
今回初の試みとしてハイレゾが同時配信になっています。
mora、e-onkyo、VICTOR STUDIO HD、grooversなど各サイトでハイレゾ配信中です!
花束を君に/宇多田ヒカル|音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora
花束を君に | 宇多田ヒカル | 96kHz/24bit | 「VICTOR STUDIO HD-Music.」
購入場所 | 種別 | 音質 | ファイルサイズ | 価格 |
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mora.jp | 無圧縮音源(ハイレゾ) | 96kHz/24bit | 155MB | 514円 |
iTunes | 圧縮音源(AAC) | 44.1kHz/16bit | 9.52MB | 250円 |
ハイレゾはiTunesにくらべサビ前のため息のようなブレスが良く聞こえ、音の隙間の空気が伝わってきたので主観としては264円の差でもハイレゾを推したいです。
moraとiTunesで購入したので、データとして比較したいと思います。
まずはスペクトラム解析(全体)※PCはクリックで拡大
縦軸が音の大きさ、横軸が右に行くほど高音が含まれています。
iTunes(赤)は圧縮音源の性質上、人間の耳に聞こえにくい音が削られます。
上の図だと21kHz以上でガクンと落ちていますね。
CD音源の制限上、22.05kHzを超える音も入っていません。
ハイレゾ(緑)は48kHzまでなだらかに音が入っています。
ここまでみっちり入っていると製作時は96kHz以上かもしれませんね。
ハイレゾマークは40kHz以上を再生できることが認定条件ですが、「花束を君に」であれば30kHzまで再生できる機器なら楽しめそうです。
さらに人間の耳にはっきり聞こえる音が集まった -150db以上, 22.05kHz以下に絞り込んでみましょう
2kHz~10kHzではiTunes(赤)のほうが音が大きく、ちょうど人間の耳の感度が高い周波数(3kHz~5kHz)が入っていますね。
ハイレゾ音源は「音の大小」をより詳細に表現するため、全体の音圧を下げる傾向にあります。
ハイレゾ(緑)がなだらかなので、iTunes用にエンコードする前のオリジナル音源もなだらか&音圧が少し高めで、圧縮する際に10kHz以上が削られたと推測します。
また、過去の宇多田さんの作品同様にiTuens用に調整済み(Mastered for iTunes)ですので、圧縮音源でも楽しめるようマスタリングされていそうです。
ハイレゾをダウンサンプリングしてiTunes Matchに登録しましたが、いろいろ試しても「マッチ」しなかったので、ハイレゾとiTunesの音源は波形がだいぶ違うと思います。
最後にSonogramです。
※縦軸の目盛りの違いに注意
横軸が時間で右に行くほど進み、縦軸が周波数で上に行くほど高音が入っています。
ハイレゾ(上)では高音(22kHz~)は1番のサビ以降に入っています。宇多田さんの武器は超音波がだせることではないので、主に楽器の音だと思います。
上記以外に周波数以外に16bitと24bitの差を出したかったのですが良いグラフを思いつかず、、
そもそも周波数が違う(44.1khz vs 96kHz)ので波形も重ならないですし。
ざっくり言うとbitは音の大きさの目盛りの細かさです。
bit数が大きいほど、小さな音が表現でき細かい部分(前述 吐息など)が聴きやすくなります。
16bit→24bitを「たった8bit」とあなどるなかれ。
8bit=2の8乗なので、256倍も差があるんですよ!
聴覚は周波数(Hz)の違いよりbit数の違いに敏感という説も。
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ハイレゾの再生環境を整えるのが大変だと思っているかもしれませんが、
iPhoneであればHF Playerのハイレゾパック(1,000円)を入れるだけで24bit/48kHzのハイレゾを再生でき「花束を君に」「真夏の通り雨」も24bitで聴くことができます!
あとはポータブルアンプ(機械)を用意するだけで24bit/96kHz以上のハイレゾも再生できますしね!
宇多田さんの新曲を機会にハイレゾに興味をもってくれる方が増えるよう願ってます!!